機械工学科の近況

機械工学科長 西田 友久

今年で3年目となりますが、引き続き平成20年度も機械工学科長を仰せつかりました西田です。宜しくお願い致します。
機械工学科の近況をお知らせ致します。平成20年3月には本科生37名全員、機械系の専攻科生1名が卒業・修了致しました。今後は沼津高専で得た知識を基に自信を持って企業や大学において大いに活躍してほしいものです。
また、本科生は1年43名(内、女子4名)、2年41名(内、女子2名)、3年44名(内、女子2名)、4年45名(内、女子1名)、5年45名(内、女子1名)の計218名、専攻科は1年生が5名(内、女子1名)、2年生が5名の計10名です。5年生の進路状況は45名中32名の就職、12名の進学が内定しております(1名は進学を就職に希望変更したこともあり、現在就職活動中です)。機械工学科に対する今年度の求人企業数は約540社であり、昨年度の約600社に比べて減少してはいるものの、依然として高専生に有利な状況でした。しかし、最近の金融危機や円高の影響によって食品・衣料等々の値段が急騰するばかりでなく、採用に対しても狭き門になりつつあります。これは15年前のバブル経済崩壊後、さらには約30年前のオイルショックを彷彿させる出来事です。「当時の求人企業数は百社以下で試験の判定もかなり厳しく、志望企業に入社できない学生も数名いた」と聞いていますが、企業が人を選ぶ時期が再来しても、基礎学力を身に付けていれば、難関を乗り越えることも可能です。そのため機械工学科では低学年生のモチベーションを高めるために幾つかの試みをしています。例えば昨年度から成績不振者に対する指導や保護者との面談に学科長をはじめとする当学科関連教員が参加して“5年生の進路状況、数学や機械工学の必要性・面白さ”などについても話し、情報交換を密にすることや、4年生の就職懇談会後、卒業生と下級生との懇談の場を設けたりしています。さらに、今年の高専祭では本科の研究や授業の内容を展示するとともに学科展示の一環として、 “機械工学科卒業生による製品展示および会社紹介”を初めて試みました。ご参加戴いた方々は休日返上で大変だったと思いますが(約20名のOBに深く感謝申し上げます)、学生達は本物の航空機やレース用(レーサー:ロッシ使用)のオートバイ等々を目をクリクリさせながら観察したり、OBの方々に説明や仕事内容を興味深く聞きながら大きな刺激を受けたようです。ご協力して戴いた企業・展示内容は次の通りです(五十音順)。

(株)エッチ・ケー・エス:超軽量航空機およびスーパーチャージャー

エミック(株):小型振動試験装置

(株)電業社機械製作所:モデルポンプ羽根車、モデル送風機羽根車および多段ブロア

東芝機械(株):自動車部品用プラスチック成型品およびロボット

ビヨンズ(株):自動車部品、金型および表面処理製品

ヤマハ発動機(株):オートバイ3台およびエンジンのカットモデル

ところで、昨年度より機械系の学生が外部取得可能な単位として機械製図検定(1単位)、CAD利用技術者(2単位)、機械設計技術者試験(3単位)が認められるようになり、これまでに1名が機械設計技術者試験に合格し、また、26名が機械製図検定に合格しました。このような資格を受験することは学生にとって勉学の励みにもなり、取得していると就職の際にも有利になりますので、積極的にチャレンジし始めました。さらに、機械工学科教員の研究状況はここ二年間で国際会議での発表5件(小林教授2件:米国、新富講師2件:日本、カナダ、西田:カナダ)、学会等での発表は40件強、表彰1件(西田:2007年7月に(財)精密測定技術振興財団品質工学:発表賞“銀賞”受賞)があり、教育のみならず研究に対しても力を注いでおります。
昨年3月末をもって岩谷隆史教授と大賀喬一教授が退職されました。岩谷先生は1971年4月に沼津高専に赴任され、37年間に渡って教育と研究に従事され、その間、学科主任(現:学科長)、図書館長、野球部とゴルフ同好会の顧問を歴任されました。また、大賀先生は1972年4月に沼津高専に赴任され、36年間に渡って教育と研究に従事され、その間、学生主事、学科主任、柔道部と弓道部の顧問も歴任されました。お二人の先生は、企業との共同研究や学会の役職等々も歴任されて多大な業績と貢献をされました。先生方が同時退職されるのは機械工学科にとって大きな痛手ですが、今年度および来年度も岩谷先生には再雇用制度による特任教授として、大賀先生には非常勤講師としてご指導戴くことになりました。
最後に、今年度の機械工学科は、定員より1名少ない10名で指導に当っております。教育・研究・学生指導には、卒業後も勉学の意志を継続できるようにすることを目的として機械工学科教員一同がスクラムを組んで頑張ってゆきます。
同窓会の皆様方、ご支援とご協力の程、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

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